極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
祖母「じゃあ、着付けはばあちゃんに任せなさい。さ、あんたは出なさい」



父「はいはい(笑)」



おばあちゃんは父親を追い出し、床に長襦袢や、黒地に花柄の振り袖、帯などを並べた。

ウキウキしながら準備をし、私はバレないようにため息。

1時間と掛からず着付けは終了し、髪の毛を結われ、金と赤の簪を刺された。

手を引かれながらリビングへ向かうと、スーツ姿で並ぶ組員と夏輝と兄貴。

兄貴と夏輝は俯き、こちらを向かない。

私は窓の外に立つ父親に手招きされ、草履を履いて、庭に用意された畳の敷かれた8畳ほどのステージへと足を進めた。
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