極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
私は夏輝に腕を引かれ、部屋を出て、エレベーターに乗り込む。

会話がないまま、一階に着くと、リビングから話し声が聞こえて来て、足を止めた。



祖母「ちょっと、やり過ぎたんではないですか?」



祖父「岡田さんとの結婚は、確かに政略に過ぎんよ。真桜君は白石に支える組の組長だから。
しかしだ、真桜君はそれとは別に、愛理華を想ってくれておる。
願ってもない、幸せな話なんだよ」



…何が、“幸せ”なの。

私は下駄箱の上に置かれた、じいちゃんの大切にする壺を持ち、床に叩き付けた。

ーーバリーンッ

私はリビングから出て来た母親に「みんな大嫌い」と告げ、夏輝と家を出た。
< 74 / 201 >

この作品をシェア

pagetop