極道夫婦―18歳の恋戦―【完】

拓哉の父親も、私のじいちゃんも、人の気持ちがわからない人間だね。

人間失格だと思えた。

夏輝の車に乗り込んだ私は、夏輝の腕を掴んだ。



愛「このまま…どこか行きたい」



けど、夏輝は私の腕を離した。

でも、私は何度でも掴んだ。

私は優奈さんじゃないよ。

夏輝を離したくないんだ。



夏「――俺が迎えに行くまで、大人しく待ってろ」



愛「必ず、来るの？」



夏「“約束を守れないヤツは、人を守れない”。
俺は、お前を守る。どんな手段を取ってもな？」



夏輝はそう言うと、エンジンをかけ、車を発信させた。