最後の恋
 

      打ち上げ会場


 * * * * * * * * * * * * 


「全員グラスを持ってください」

乾杯の挨拶をする為に
島津部長が壇上に上がった

「今回のプロジェクトは1年にも及ぶ
とても大変なものでした
それも今日無事に終わりました
このプロジェクトに携わった全員が
ホッとしてる事でしょう
まぁこれ以上は言う事ないので
皆さんお疲れ様でしたカンパ~イ」

その言葉に会場にいる全員の気が
一気に緩まったのは間違いじゃないだろう
各々が労いの言葉を交わす中…

「並木君、お疲れ様でした」

「槇村さんもお疲れ様でした
この会社に来てから短いのに
いきなり長期のプロジェクトで
大変だっただろ?」

「うん、でも良い勉強になったから
このプロジェクトに参加できて良かったわ」

「ならいいけどな」

「うん」

「悪い、俺あっちの奴にも挨拶しねぇと
いけねぇから行くわ」

「うん、行ってらしゃい」

「…あぁ、じゃ」

並木君は行ってしまった…
その後もいろんな人達と言葉を交わし
時間が過ぎていった
私は時計を確認し
もう10時を過ぎているのを知った…

そろそろ打ち上げがお開きになる時間だ
ここで、2次会に行く人行かない人に分かれる
何せ明日は土曜で会社は休みだ

並木君は2次会には行かないだろう
だから私も行かない並木君がいない
2次会に行ってもつまらないもの
今日は結構飲んだわね
普段はこれくらい飲んでも酔わないけど
並木君がいるせいかちょっと酔ったかも…






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