最後の恋




「来週の旅行の事…なんだ…」

「なぎ何時だったか東條って奴の事
話した事あるだろ?」


「うん、恭ちゃんの話に良く出て来る
恭ちゃんのお友達でしょ?」


アイツの話題なんかそんなに出てない…はず…
でも渚がそう思うって事は良く話題に出てんのか
「…そう
その東條がインフルエンザに罹って
暫く会社を休む事になったんだ」

「東條さん、大丈夫なの?」

「安静にしてれば大丈夫」

「そう、なら良かった。」

「なぎ、本題はこれからなんだ」

「東條が今手掛けているプロジェクトは
結構大掛かりな仕事で休む東條に
代わってその仕事を引き受ける人が
必要なんだ…」


恭ちゃんの言おうとしてる事は
東條さんがお休みしてる間
恭ちゃんが代わりに東條さんが
してた仕事をするって事だよね。

「恭ちゃんの言わんとしてる事分かった。
友達のピンチだもんね…
けど来週の事と何の関係があるの?」

「嗚呼、実は…
名古屋に出張しないといけないんだ」


僕は恭ちゃんの話をこれ以上聞きたくなかった。

「…恭…ちゃん…」

「来週の火曜から4日間…」


渚は恭司のその言葉を耳にした瞬間、
渚の瞳に見る見るうちに涙が溜まって
今にもこぼれ落ちそう…


泣いちゃいけないって分かってる
病気になって大事な仕事が出来ない
友達の変わりに恭ちゃんがしなきゃ
いけない事も…でも・・・


「なぎ、京都には行けない。」


渚の瞳から一筋の涙が頬を伝った。

「…う…そ…」



渚の涙は見たくない…!!

俺はあの時・・・絶対・・・
渚に悲しい涙は流させないって
誓ったのに!!


「なぎ・・・ごめん…」






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