最後の恋


「鏑木君、電話で言ってった事だけど
彼女と同棲したいんだって…」



「はい俺…
彼女と7年半付き合ってるんですけど
最近一緒のいたいって気持ちが
強くなってきてて同棲したら
一緒にいられるかなって…」



「そうか…今の時点では
鏑木君だけの考えだよね?」


「はい」


「同棲って自分1人だけの感情で
決める事じゃないから…」


「…そうです…よね…
先輩達はどうだったんですか?」

「俺達の場合は…」


俺はなぎと付き合って2年(同棲1年)
鏑木は彼女と付き合って7年半
俺と鏑木とは同棲理由が違う……!!


「鏑木君にとって参考になるかは
分からないけど話すよ」


「はい是非、聞きたいです」





「俺が渚と同棲しようと思ったきっかけは
1年前渚の母親が亡くなった事…かな…
父親は渚が10歳の時に亡くなってる
頼れる親類も居ない、
そうなると渚1人なる働いてる時は良いけど、
それ以外はいろいろ考えるだろし、
暗くて誰も居ない家に帰るだろ、
そういう時って食事の事に気が回らない
だろうし、いろんな事考えすぎて眠れない日が
続く事もあるかもしれない、そんなんで
仕事してたら体を壊す結果にもなる
渚は辛い事や悲しい事があった時に
まったくと言っていいほど人に頼らない
そういう時こそ人に頼るもんだけど…」


「唯一の肉親である母親を亡くしたのに
渚は俺の前でも泣かないんだ
きっと1人で泣いてんだよ
だから俺は渚を1人で泣かせたくない
泣く時は俺の胸で…
渚は、けして1人じゃない
俺がいるって事を分かって欲しい…!!
嬉しい事、楽しい事は倍に、
悲しい事、辛い事は分け合って
これから2人で生きて行きたい、
傍にいたいって気持ちが…
俺の胸の中に溢れて……気付いたら俺は渚に
一緒に暮らさないかって言ってたんだ」


鏑木君相手にいつの間にか熱く語ってるよ!!

「鏑木君、話長くなって悪かったな」



「…そんな事…ないです」









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