最後の恋
「並木、渚君に京都行けない事言った?」
「金曜の夜にな…」
「泣かれた?」
「…嗚呼」
「やっぱそうだよな、
でも渚君の事だから
納得してくれたんだろ」
「嗚呼、しかたなかったとはいえ
渚の涙は見たくないもんだな」
「…そうだよな」
「渚は…
思ってる事、考えてる事を言葉に出さなくても
顔に出やすいから分かりやすくて良いけど」
「そうなんだよな…
香澄も顔に出やすかったのにな
それなのに俺は気付かなかった」
「高瀬、いくら感情が顔に出るからと
いっても付き合いが長くなればなるほど
自分の感情を隠す事くらい出来るように
なるんじゃないか?」
「そうなのか…?」
「俺の個人的な見解…だけどな
でも彼女、高瀬に何か小さいサインは
出してたと思う高瀬がその小さなサインに
気付いてたら結果は違ってたのかもな」
「…そうかもな?
今更言っても遅いいけど…」
「当分は無理かもしれないけど
今回学んだ事は次の恋にいかせば良い…」
「……次か…当分は…考えられない…な」