For four days.
陽香、絶対面白がってる…。
別にたまたま塾が一緒だっただけだもん。
話し相手がいなくなった為、あたしは英語のイディオム集をパラパラめくり始めた。
「おはよ」
その声に反応して、ふっと横を見ると津田くんがいた。
「おはよ!やっと来たんだね」
「来んの待ってた?」
「うん♪って…違う違う違う違う!来ないなって思ってただけ」
普段あまり表情を見せない彼がクスッと笑った。
「荻野おもしろい。じゃまた後でね」
たった数十秒のごく普通な会話。
それなのに、なぜかものすごくハッピーな気分になった。
あたし…声をかけてもらえたことが嬉しかったんだよ、とすぐに自分を納得させた。