サクラノヒメゴト

ギュッ


「いっいや!離せッ!!」

「こーいうのが狙いだったんでしょ?」

「はーなーせ!!」

「むり(笑)」

抵抗すればするほどきつく抱きしめられる
すぐ近くには『黒崎拓海』の顔

―――距離20cm


誰が最初にこんな所にソファーを置こうと言い出したんだろう。
おかげであたしは今、絶体絶命だ。



「じゃあ俺の言う事、聞く?」

「はぁ?今だって散々聞いてるじゃん!!」

「まだまだだね。」

「ッチ」

「今、舌打ちしなかった?」

「いいえ。してませんよ。」

「嘘つくとお仕置きって知らない?」

急に黒崎の顔がニヤけた


「ごめんなさい。舌打ちしました。」

素直に謝っとこう。

「正直者には、ごほうびあげないとね。」

「いっいらないから!!ちっちか・・・・・・!」



最後まで言えなかった
『近づくな』ということば


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