サクラノヒメゴト
ない。あたしのウィッグが!!
「理一さんに怒られちゃうねー♪」
「返しなさいよっ!」
「そんな風に言える立場なのかなぁ?」
くっ・・・
コイツずるい。
「ついでに眼鏡も没収ー。」
「ちょっ・・・!」
ついでに身長も高いから届きやしない。
もう抵抗するのバカらしくなってきた。
・・・。
そもそも黒埼はあたしに用があるから
呼び出したんだよね?
じゃあ、その用済ませちゃえば帰れるじゃん。
「黒崎の用は?」
ちょっとイライラしながら
ソファーに座りなおす
「ない。」
「はぁ?」
「あえていうなら・・・・・・」
ちょ・・・っと!近づいてこないでよっ
ジリジリとソファーの端へ追いやられる
「俺の顔見て、なんか思わない?」
・・・なんすか。それ?
「変態セクハラ野郎。」
これしか当てはまらない。
「不正解ねー。」
正解とかあんの!?
「あの・・・・帰っていい?」
「俺から取り返せたら、いいよ。」
むぅ
そんなのむりに決まってるじゃん!!
「じゃあいい。」
もう変装なしで帰ってやる!
スタっ
怒られてもいいや。
「わかった。俺のこと『たっくん』って呼んでくれたら返す。」
たっくん?