サクラノヒメゴト
それっきり彼女は帰ってこなかった。
生きているのかもわからない。
そして、中等学校の2年。
俺は、大きな決断を迫られていた。
「拓海。もうそろそろ『婚約者』のことを
きちんと考えてはくれないか?」
「親父、答えは分かってるんだろ?」
はぁーとため息を漏らす
「たしかにお前の婚約者は『さくらさん』だ。
でも、彼女は今どこにいるのかも分からない。
生きているのかも分からない。
そろそろ現実を見てくれないか。」
「無理だ。
彼女を見つけるまで俺はあきらめない。
他の人となんて婚約しない。」
突然失った大好きな婚約者。
今、どこにいるんだ?
俺はきっと見つかるまで探し続ける。