サクラノヒメゴト

「早く返してよっ」

「返してください。お願いします

って言ったらね。」

「はぁ?なに言ってんの?
あなたが取ったんでしょ!?」

あっキレた。

バシッ

ひょいっと手をかわす。

思い出した。コイツの名前・・・『木内さくら』だ。

たしか、日本剣道選手権で準優勝した人。
俺の親父の会社がスポンサーだったんだよな。
あの時は眠いなか必死で起きてたなー

「甘いね。さくらちゃん。」

「名前で呼ぶなっ」


からかいがいありすぎだろ。
ピョンピョン俺の前飛んでるし。
こんなに身長差あんのに届くわけないだろ
猫みたいだ・・・


「あそぶなっ」


もっと・・・
いじめたい。


パシッ

木内がウィッグをやっと手にしたのと同時に
俺は木内の手首をつかんでいた。


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