歯医者な彼と☆イタイ関係
黙って診察台に乗って


光太郎を見る。


『こうちゃん?って光太郎?』


マスクを外して 目をクリクリさせた


もう。いつもこれ。目をクリクリさせて。


『泣いてたよ、さっきの人』


『ああ。ちょっと痛かったみたい…。はい、あーんして』


あーん

『磨くだけだからね〜痛くないよ〜』


光太郎のおかけで、歯医者、怖くなくなったよ。


光太郎が痛くないよって言ったら痛くない。


『咲子〜一緒にかえろ』


小さな声で耳元で囁く。


さっきの女に勝ったのね。私。今日はね。


いつもより、ゆっくりと。

『はい、うがいして…』


うがいして…紙コップ置いたら、水がピューって補充される。


『光太郎、これさ、半分水が残ってたら半分補充するの?』


『コップの下に、重さを検知するやつがあるんだよ〜』


『頭いいんだあ〜これ』


何回もうがいしてコップを置いてみる。


『咲子』


光太郎がギュッて抱き締めて…マスクをとってキスした。


舌が…私の口の中を探る。

削ったところを。
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