あした天気になーぁれ




「…ほ、ほら!早く決めちゃってさ、早く終わらせようよ!」



私は嫌な空気を取り消すために、わざと明るくして雑誌を手にとった。



「…はーい」

「おー…」



私の言葉で、2人もやる気がなさそーに雑誌に目を向けた。…おい瑠希。





――その時だった。





〜〜♪〜♪〜





「…あれっ?――電話鳴ってない?」



ふと聞こえた音。


それは明らかに、携帯の着信音だった。



この着信音は私のではないから…

2人に目配せをすると、千早は横に首を振った。



「俺のじゃねぇよ」


ってことは。



「あ!!あたしのだっ!!!」

瑠希はそういって、慌てて鞄から携帯を取り出した。



「もしもしっ!?」


『あー芝田ー!?』


瑠希が出た途端に、携帯から大音量で聞こえる声。



(あ、あのー…丸聞こえです……。)




「ありっ?体育委員じゃん…」


瑠希は驚いたような顔をして、私と千早を見る。



「体育委員っ?」


え、何で?

何故に体育委員から瑠希ちゃんに電話が?


何か言うことがあるとか…?




『お前……体育委員はやめろよ…』


瑠希の携帯からは相変わらずの大音量で呆れた声が聞こえる。


「あー……いいじゃん。体育委員で♪」


『…じゃーいーよ体育委員で』



あ、いいんだ。簡単だな体育委員…!


…それより、体育委員の意図が全くわからない。



いやーな予感しかしないのは…何故??




「――まっ。それはおいといて…、何?」



瑠希は本題に入るように体育委員を促す。体育委員は、思い出したのか『そうそう!』と声を大きくした。



『芝田にさっ!団T頼んだろー!?それでさーっ』



そして私たちは、体育委員が言った次の言葉に唖然とすることになる。




『――もう安い黒のTシャツに決まったから、選ばなくていーよ!!!!』



…………。






 は?




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