あした天気になーぁれ
「いやー、ごめんって…。わざとじゃないもん!」
彼女は手を前に突き出し、同じように苦笑しながら「まぁまぁ」と私を宥める。
いやいやいや…わざとだったらぶん殴りもんですけども…。
「もー…気付いてないときに押してくんのはほんとにやめてよ!わかった?瑠希(ルキ)!」
私は少し眉間に皺を寄せながら腰に手を当てて、瑠希に確認をとる。
「あーはいはい。わかったわかった。」
瑠希はそういって笑った。
(…確実に分かろうとしてないよね…。)
私は「はぁ…」とため息をついて、空いている椅子に腰掛けた。
それを見た瑠希も、私の座っている席の横の椅子に座った。
その瞬間
「おっっ!おはよー千早!」
「千早くんおはよーっ」
「っ!」
ざわっっと一気に騒がしくなった教室。
それは、彼が来た証拠。
「おー!おはよーっ」
彼の明るい声が、教室に響いた。
その声を聞いただけで、私の心臓はうるさいくらい激しく動く。
「…っあー疲れたっ」
「っ…」
彼は私の隣の席に、鞄を置いて疲れたように座った。
「おはよー千早。」
「おーおはよー」
瑠希は頬杖をつきながら、さらっと挨拶を交わした。
そんなときでも、忙しなく動く心臓。
(…っう、うるさい…っ心臓……)