あした天気になーぁれ
彼は私に気付いて、ニッとはにかんだ笑顔を見せた。
「――晴日も。はよー。」
「…っ…お、おはよっ…――千早。」
彼は、柳瀬千早(ヤナセ チハヤ)
何から何まで格好良すぎる、私の幼なじみだ。
「何でそんな疲れてんの?」
千早の異様な疲れように、私は首を傾げてそう問う。千早は苦笑いを浮かべながら、首の後ろに手を当てていた。
「んや、かんっぜんに寝坊で。その上にチャリパンクしててさ…。」
「あーーー…」
だからそんなに汗だくで、そんなに前髪が上がってんのね。
…でもね。
普通はさ、そんなんだったら格好良いとか何もないでしょう?
むしろ、うわっとか思うでしょう?
けど…違うんですよ、彼は。
なんかもう爽やかさ満載なんですよ……!
汗とかもキラキラなんですよーーー!
「…晴日晴日。戻ってきなさいいい加減。」
「っっは!!…ま、また飛んでた……っ」
「何をしてんだお前は」
瑠希の声で意識が現実に戻ってきた私。でも、千早は呆れたように笑っていた。
「っ…」
もう。
やんなっちゃうなぁ。