永遠の翼
俺は花束の中から、一輪の花を取り出す。


そして、それを新藤に差し出す。


「あんたの大切な人に・・・これを」


「・・・似合わないことをしますね」


「ほっとけ」


「でも・・・嬉しいです」


そう言って新藤は花を受け取る。


それを胸の前に置いた。


「いい顔をしていますね、月島さん」


「そうか?」


「ええ。雨が上がった後の、晴天のような顔をしています」


「そうか・・・」


確かに吹っ切れた感じがある。


今、俺の心は晴れ渡っている。


だからこそ。


今も心の中で雨を降らせているあの少女に。


俺の音を聴かせたい。


俺の『宝物』を教えたい。


彼女の、晴れ渡った笑顔を見たいから。


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