永遠の翼
昼食を終えたあと、出かける準備を整える。


「詩織、早くしろよ」


「わかってるよ~」


ドタドタと響く階段の音。


俺はもう支度を終えたので、詩織を玄関で待っている。


ついでに言っておくと、優子はもう出て行った。


「宏」


秋夫さんが声をかけてくる。


「・・・はい」


「いい顔になったな」


「そうですか?」


「ああ。冬休みのときとは全然違う」


真剣な眼差しで言う。


「俺は・・・俺の音を見出しました。それを聴かせますよ」


「そりゃ楽しみだ。どんな音なんだ?」


「それは、聴いてからのお楽しみということで」


「チッ。生意気言いやがって・・・」


そんな会話をしていると、詩織が降りてくる。


「行こっ。ヒロちゃんっ」


「・・・ああ」


こうして俺たちは出て行った。


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