永遠の翼
ホールの中に入る。


ざっと見渡しても、100席はある。


ホールの、どこか厳粛な空気。


それが、好きだった。


大好きだった。


私はなるべく前に座ろうと、奥へと歩いていく。


「優子」


聞きなれた女性の声に振り向く。


「茜・・・来てたんだ」


「噂に聞いたものですから」


「ふーん。隣、いい?」


「構いませんよ」


茜の隣の席に腰をおろす。


中央の、前から5番目。


近すぎず、遠すぎず、いい席を確保できた。


最前列には秋夫さんがいた。


(気合入ってるなぁ・・・)


まぁ、娘と教え子の晴れ舞台だもんね。


気合も入るか。


しばらく茜と会話していると、ホールが暗転する。


そして、開幕を告げるブザーが響いた。


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