永遠の翼
屋上のドアが開く。


バタン、という音が屋上に響く。


静寂。


一陣の風が吹く。


・・・彼だ。


まっすぐに、私を見据える。


「やっぱり、ここだったか」


彼がそう言った。


「何か・・・御用ですか?」


私は彼の方を向いて尋ねる。


彼は私の問いには答えずに、ゆっくりと私に歩み寄る。


嫌だ・・・


来ないで欲しい。


私はあなたとは違う・・・


なのに、彼は向かってくる。


彼は私を無視するかのように通り抜ける。


そう。


あなたは、私のことを見なくていい。


それが、わかっているのに・・・


私は別の答えを求めている。


ちょうど、背中あわせになる。


彼は後ろ手に、私の右手をつかんだ。



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