永遠の翼
―――きみは、どちらの扉を開ける?



試すような視線。



―――わたしは・・・



もちろん、この世界への扉を選ぶ。



そう思って、そちらへ足を向けようとする。



―――どうしても、この世界に留まるの?



彼がそれを止める。



―――うん。



―――それが、向こうの世界で私が望んだことだから・・・



強く、言う。



―――なら、教えてくれないかな。



―――どうして、きみは永遠を求めたの?



彼の、まっすぐな瞳。



それを受けて、わたしは目を閉じる。



―――わかった。



―――わたしの、向こうの世界での記憶。



―――すべて、教えてあげる。



わたしは目を開いた。



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