永遠の翼
ある冬の日。



彼は病魔に冒された。



とても、とても重い病気。



わたしに告げられたことは一言。



もう、長くはない・・・



それだけだった。



わたしは、彼に会い続けた。



必死に、看病した。



でも、必死に看病していたからこそ、わかっていた。



それは彼も同じだったのだろう。



最後の瞬間は近づいている。



そう感じていた。



それでも、彼は彼だった。



最後まで自分らしくあろうとしていた。



わたしに、それができるだろうか。



『死』が近づいていても、自分らしくあろうとすることが。



きっと、わたしにはできない。



でも、彼のその強さ。



わたしは、彼のそんなところが好きだった。



いや、そんなところも全て含めて、好きだった。



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