永遠の翼
「テルくん、こんばんは」



わたしは彼をそう呼んでいた。



「なぁ・・・」



病室から窓の外を見ながら、彼が呟いた。



「結婚しよう」



「は・・・・・・?」



その言葉の意味がわからず、しばらく呆然とする。



「結婚だよ、結婚。



ふたりで、結婚式を挙げよう。



あの教会で」



こちらに向き直って言う。



いたって真面目な目だった。



「・・・本気ですか?」



「・・・嫌か?」



「・・・いいえ」



彼の言葉に首を振る。



「結婚式を、挙げましょう」



・・・ふたりで。



ふたりだけの、結婚式を挙げよう。



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