永遠の翼
「俺たちは、夫婦に・・・なれたかな・・・?」



穏やかな顔で、そう訊いた。



「うん・・・」



「でも・・・家庭を作ることは・・・できなかったな・・・幸せな・・・家庭を・・・」



「これから作れますよっ!!だからっ・・・!!」



「俺は・・・きみのおかげで、幸せだったよ。



最高に幸せな人生だった」



「そんなこと言わないでくださいっ!明日、いつでも聞いてあげますからっ!!」



でも、明日がないことは、わかっていた。



もう、彼の顔から生気を感じなかった。



「ありがとう・・・きみに・・・」



「そんなっ・・・!!テルくんっ!!」



「さようなら・・・大好きな・・・」



「テルくん・・・?」



もう、彼は再び口を開くことはなかった。



彼の声を聞くこともできない。



彼の笑顔をみることも、もう叶わない・・・



それは絶望だった。



< 161 / 230 >

この作品をシェア

pagetop