永遠の翼
学校の屋上。


放課後になると、俺と優子はここで会うようになった。


「うーん、いい風ですね」


優子が精一杯伸びをしながら言う。


「寒いけどな」


「デリカシーに欠けるひとですね・・・」


「ほっとけ」


ふたり、夕焼けを眺める。


俺の、宝物。


それはこの日常。


この日々が。


家族と笑いあう日々が。


友達とふざけあう日々が。


彼女の笑顔が、大切な宝物。


それを象徴するほど、綺麗な夕焼けだった。


そして、夕日に照らされて、俺たちは・・・


初めてのキスをした。


「・・・バカ」


彼女は顔が赤いのは夕日のせいだけじゃないだろう。


そう思った。


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