永遠の翼
―――アカネ。



―――きみはたいせつなひとがもうひとりいるって言ったよね。



彼が尋ねる。



―――うん。



わたしは頷く。



―――あの娘なんだよね。



今度は無言で頷く。



この気持ちはなんだろう。



自分は永遠を求めているくせに。



彼女には、求めて欲しくない。



この世界は悲しいから。



永遠を求めることは、罪だから。



矛盾だ。



矛盾でしかない。



それでも。



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