永遠の翼
教室を出て、ふと思いつく。


屋上に行ってみるか・・・


あそこなら、考え事もできるしな・・・


俺の冬休みは、年末年始の準備と宿題、そしてピアノでほとんど埋め尽くされた。


特に昨日は半日近くピアノ漬けだったしな。


あそこの風は、悩みを吹き飛ばしてくれるほど気持ちいい。


そう思い、屋上へ足を向けた。


扉の前まで行くと、不可解な点があった。


「屋上の鍵が開いてる・・・」


普段は立ち入り禁止になっているので、基本的にこの扉の鍵が開いていることはない。(俺はピッキングで無理やり開けている。)


(誰か先客がいるのか・・・?)


疑問に思いながらも、重い扉に手をかける。


扉を開けたと同時に、冷たい風が入り込む。


行くんじゃなかったかもしれない、と思いつつ、屋上へと踏み込んだ。


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