永遠の翼
予想通り、屋上には先客がいた。


セミロングの黒髪の少女が、こちらを振り向く。


そいつの顔を見て、俺は驚いた。


少女も、俺の顔を見て驚いているようだ。


凛とした目つき。


白い肌に、やや小柄な体格。


そして、どこか儚げな雰囲気。


リボンの色を見ると、一年生のようだ。


―――クリスマスに俺が傘を貸した、あいつだった。


「音羽・・・優子・・・?」


「月島さん・・・?」


「お前、この学校の生徒だったのか?」


「それはこっちの台詞です。それより月島さん、屋上は立ち入り禁止なんですよ。知らないんですか?」


「そう言うお前はどうなんだ?」


「私はいいんですよ。この場所が好きですから」


「そりゃたいした理由だな・・・」


フェンス越しに夕焼けが見える。


屋上から見る茜色の夕日は、壮観だった。


改めて、音羽を見てみる。


目の前の少女は、ちょっと・・・いや、かなり可愛いと思う。


それが素直な感想だった。


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