永遠の翼
『彼女は教会にいる』


ただただ、走り続ける。


息が乱れても、関係ない。


いつか、なくしてしまった声。


大好きなひとの声。


それを聞くために。


『行ってやれ・・・彼女を見届けに』


彼女のことを追いかける。


『最後は、笑って送り出してやれ・・・』


『絶対に、泣くな』


うん。


私は泣かない。


笑って、送り出す。


「ハァ、ハァ・・・」


教会の前で、息を整える。


「・・・・・・」


そして、開いた。


終わりの扉を。



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