永遠の翼
「はい、どうぞ」


戻ってきた茜が、買ってきた鯛焼きを差し出してくる。


「ん。ありがと」


それを左手で受け取る。


茜も隣に座る。


「さて、何があったんですか~、優子」


冷やかすように尋ねてくる。


「ちょっと、ね。面白いひとに会ったんだ」


「へぇ、どんなひとなんですか?」


「無愛想で、ひねくれ者なひと。私に見とれてたんですか?って言ったら、大真面目に、『悪いが、その発想はないな・・・』って言ってきたんだよ」


「そんなひとなら、わたしも会いましたよ。クリスマスの日に」


「あ、奇遇。私もそのひとにはじめて会ったのクリスマスなんだ。偶然、同じ学校だったの」


「じゃあ、お互いそのひとの名前を言ってみましょうか。当たるかもしれません」


「それは面白そうだね。うん、いいよ」


「では、いきますよ」


「うん」


せ~の、と言い合い・・・


「月島 宏」


見事にハモッた。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


お互いに顔を見合わせる。



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