永遠の翼
「何やってんだ政人。席無くなるぞ」


篠原さんの後ろから、不機嫌そうな声がした。


「宏、詩織ちゃんたちも一緒に食べるから、4人分の席を確保しとけ」


篠原さんが後ろを振り返る。


・・・月島さんが、カレーの盆を持って立っていた。


「詩織も一緒?しかも、4人分の席?あとひとりは・・・って、音羽?」


突っ込みどころが満載らしい。少し混乱しているようだ。


「こんにちは、月島さん」


私は会釈をする。


「ああ・・・」


不機嫌そうにそっぽを向く。


「なんだ、その娘と知り合いだったのか、宏」


篠原さんが面白そうに言う。


「別に、ちょっとな・・・」


「ふーん。後でゆっくり聞かせてもらおうか」


勝手にしろ、と吐き捨てて、月島さんは席を取りに行ってしまった。


「あ・・・待てよっ。おっと、ふたりは食券買ってていいよ。席は取っとくから」


「はいっ」


「ありがとうございますっ、政人さんっ」


詩織と私は、食券を買いに券売機へと向かった。


・・・すぐそこだけど。


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