永遠の翼
「いっただっきまーすっ」


詩織が元気に手を合わせて、親子丼に手を付ける。


ちなみにわたしはきつねうどんだ。


「自己紹介がまだでしたよね。音羽優子です」


篠原さんに自己紹介をする。


「音羽さん・・・ねぇ・・・」


篠原さんが、まじまじと私の顔を見る。


「な、なんです?」


少し緊張してしまう。


「・・・・・・・」


このひとは、知っているのかもしれない。


―――ヴァイオリニスト・音羽優子を。


篠原さんの顔が笑顔になる。


「君、可愛いねっ」


「・・・・・・え?」


予想外の言葉が出て、きょとんとしてしまう。


「音羽さん、可愛いねっ」


篠原さんが繰り返す。


「あ・・・ありがとうございます」


私は少しはにかんで言う。


自分で冗談として言うのはなんとも思わないけど、人に言われるとやっぱり嬉しいし、恥ずかしい。


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