永遠の翼
「・・・ってことがあったんだよ」


「そうですか。楽しそうな昼食だったんですね」


放課後。


私は、茜と一緒に教会に来ていた。


・・・鯛焼きを頬張りながら。


神様が見ていると考えると、ちょっと気が引ける。


聖堂の椅子に、ふたりで腰掛ける。


「楽しそうですね。優子」


含み笑いを浮かべて、優子が言う。


「そう?」


「ええ」


「・・・そうだね」


私はそれに同意する。


「茜」


私は脈絡なくその名を呼ぶ。


「はい」


茜が微笑みながらこちらを向く。


「宝物は、どうやったら見つけられるのかな・・・」


なんとなく、その言葉を吐いた。


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