永遠の翼
詩織と音羽は、二人で遊びに行ってしまった。


俺は今、バイトの帰り道だ。


秋夫さんにタダで居候させてもらう訳にもいかないので、バイトで稼いだ金の半分を生活費にあてるようにしている。


夕暮れの商店街を歩く。


いつも思うが、水瀬の街並みは綺麗だ。


「こんばんは、月島さん」


「どわっ!」


後ろから肩を叩かれる。


振り返ると、新藤だった。


相変わらず黒のダッフルコートを着ている。


「驚きすぎですよ」


「あんたは神出鬼没の妖怪か」


「失礼なひとですね」


新藤がぶすっと言う。


「つーか、なんか用?」


「ああ・・・こんな美人のお姉さんが話しかけてあげているのに、なんて失礼なひとなのでしょう」


「あんたは失礼以外俺に思いつく言葉はないのか」


コイツが一番失礼だと思うのは俺だけか?


つーか、自分で美人とか言うか?


音羽にしても新藤にしても、どうも調子が狂う。


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