永遠の翼
「やっぱり・・・似ている。あの人に」


新藤が小声で呟いた気がした。


「なんか言ったか?」


「いえ。何も」


「あっそ・・・」


特に興味があるわけではないので追求はしないでおく。


「月島さん」


新藤が不意に俺の名を呼ぶ。


いつもとは違い、真面目な顔だった。


「・・・なんだよ」


「悩みは、解決できましたか?」


俺の、父さんに対するコンプレックスのことか。


「いや・・・」


俺は首を振る。


「あらあら。迷子が多いですね、わたしの周りには」


新藤が、いつもの微笑みとともに呟く。


「なんだそりゃ?」


「いえ。特に意味はありませんよ」


意味深に微笑みながら背を向ける。


「では、月島さん。わたしはこれで」


「自分から話しかけてきて随分一方的だな」


「わたしも色々と急がしいんですよ」


「そうかよ・・・」


そんなやり取りをして、俺たちは別れた。



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