永遠の翼
「お父さん、もういいでしょ。ヒロちゃんかわいそうだよ・・・」


詩織が秋夫さんに訴える。


「娘の頼みとあらば仕方ないな・・・宏、もういいぞ」


・・・弱っ!!


「お父さん、優ちゃんをウチに泊めていい?」


詩織が秋夫さんに頼み込む。


「娘の頼み(以下略)泊めていいぞ」


・・・なんか、月島さんと詩織に扱いの差を感じる。


「だってさっ!」


詩織が、心底嬉しそうに私の方を向く。


「ありがとうございます、秋夫さん」


秋夫さんはこれぐらい気にするな、とだけ言って奥へと消えていった。


「泊まるのはいいが、お前学校はどうすんだ。制服とか鞄とか取りに行かなきゃいけないだろ」


月島さんが問題点を指摘する。


「月島さん、明日は創立記念日で学校休みですよ」


「えっ、マジ・・・?」


カレンダーを見て言う。


「マジです」


「・・・・・・」


月島さんはハァ、とため息をついて天井を見上げる。


「都合いいなー・・・」


私もそう思う。


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