永遠の翼
「あなたと同じですよ」


「はぁ?なんだそりゃ」


「一緒に過ごす恋人がいないので、ひとりでクリスマスを過ごしているだけですよ」


「誰がそんなことを訊いたっ」


「冗談ですよ。そんなに怒らないでください」


私が微笑みながらそう言うと、男の子はハァ、とため息をついた。


「今日は、ヘンな奴に会うのが多いな・・・」


ひとり言のように呟く。


「ヘンな奴ってのは、私のことですか?」


自分のことを指差して、尋ねる。


「この場所に、他に誰かいるか?」


辺りを見回したけど、人影は見当たらなかった。


「・・・いませんね」


「だから、ヘンな奴ってのはお前のことだ」


ぶっきらぼうに話を続ける。


「で?お前は何してんだ?こんなところで」


「・・・雪を、見ていたんです」


「雪?」


「なんか、ロマンチックじゃありません?ホワイトクリスマスって」


「そうかよ・・・」


不機嫌そうに、白い息を伴って吐き捨てる。



< 8 / 230 >

この作品をシェア

pagetop