永遠の翼
結局、私は川上家に泊めてもらうことになったのだ。


「あー・・・」


そうだ。


そうだった。


「思い出した?」


詩織が尋ねる。


「うん。でもありがとう。泊めてくれて」


「お礼を言われることじゃないよ。泊まって欲しかったから泊まってもらっただけだよ」


至極当然のように言う。


そういうことを自然に言える彼女は、すごいと思う。


ちなみにパジャマは詩織のものを借りた。


猫の柄の可愛らしいパジャマだ。


「朝ごはんだよ。早く食べよ」


「ああ・・・うん」


私がそう返事すると、詩織は軽やかに部屋を出て行った。


小奇麗な部屋を見渡す。


この部屋は、他界した詩織のお母さんの部屋らしい。


使われていないので殺風景だが、掃除は行き届いている。


亡くなった今でも愛されているのだろう。


―――この家族は、温かい。


そう感じた。


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