永遠の翼
「新藤と・・・音羽?なんでお前がここに?」


月島さんが立ち上がって驚きの声をあげる。


「私がここに来ちゃいけないんですか?」


「いや、そういう問題じゃないんだけど」


月島さんがこちらへ歩いてくる。


「こんばんは、月島さん」


茜の挨拶に、月島さんが片手をあげて答える。


思ったより、茜と親しいみたいだ。


・・・ちょっと、複雑。


「お前が新藤と知り合いだなんてな・・・」


「ああ、月島さんが驚いたのはそこですか」


「音探しはどうですか?月島さん」


茜が微笑みながら尋ねる。


「さっぱりだ。自分がどういう音を奏でたいのか・・・見当もつかない。俺は今まで、なんでピアノを弾いていたんだろうって思うよ」


「ピアノが好きだからですよ。簡単なことです」


「そりゃそうなんだけどな・・・でも、違う。もっと別のことだ。俺は音楽を通して何を伝えたいのかが・・・いまいち見えてこないんだ・・・」


月島さんがもどかしそうに頭をかく。


「まあいいか・・・悩むだけじゃ何も解決できないしな」


そう言って月島さんが教会を出ようとする。


私たちもそれに続いた。



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