永遠の翼
「分かりませんか?こういうの」


「悪いが、俺には理解できないな・・・」


ちょっと残念だ。


「そうですか・・・どうもセンスに欠けるひとみたいですね」


「初対面の人間にんなこと言うな・・・つーかお前さ、傘持ってないの?」


不意に、話題を変えられる。


「持ってませんよ。見て分かりませんか?」


「・・・・・・・」


仕方ないな、という風に、男の子が傘を差し出してくる。


「・・・なんですか?」


「これ、貸してやるよ」


「いいですよ、別に」


「気にすんな。今度会ったときに返してくれりゃあいい」


「いいですって」


「ダメだ」


「どうしてですか?」


心底照れくさそうに、そっぽを向いて言った。


「・・・簡単に言うと、俺の主義に反する」


「・・・はい?」


「ただそれだけだ。だから、気にすんな」


「・・・変わってるって、よく言われません?」


「お前ほどじゃないさ」


「・・・そうですね」


結局、私が折れて傘を受け取る。




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