永遠の翼
「でも、問題はそこじゃないのよ。分かるわね?」


言いづらそうに管理人さんが訊いてくる。


「はい」


それに頷く。


「火事で色々大変なんだけど、この際だから立て直したいのよ。―――ほら、ウチぼろいでしょ」


「・・・はい」


私も真剣な顔で管理人さんの話に耳を傾ける。


「だから、しばらく住人には別のところに住んでもらうことになるわ。まあ、戻ってこなくてもいいのだけど。


それで、他の人は社会人だから、その気になればどうにでもなるけど・・・学生のあなたは違うでしょ。


申し訳ないけど、あなたに紹介できるような新しい住まいはないのよ」


「・・・そうですか」


失礼な話だが、ここは狭くてぼろいので家賃は相当安い。


学生のバイトだけで払っていけるほどだ。


管理人さんが言っているのは、そういう問題もあるからだろう。


「じゃあ、申し訳ないけど、そういうことでお願いね」


「・・・はい」


そう言って管理人さんは去っていった。


他にもやることがあるのだろう。


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