先生は蒼い瞳の狼くん







玄関には、すでに靴をはいた龍之介くんがいて私の姿を見て近付いて来た



「あれ、着替えた?」


「あ、はい」


そりゃ、一応…出掛けるわけだし…


「そっか…」


私は下駄箱から靴を出してそれを履くと、そんな私達を見て小さい小窓から管理人さんが顔を出した



「雪村さんー?」


「え?は、はい」


年配の男性がそこにいて、口を開いた



「小野瀬先生から伝言」


小野瀬先生?って、誰?


そんな先生と関わった記憶はないような…



首を傾げる私に、龍之介くんは笑う


「ちーちゃんだよ。ちーちゃん!普段小野瀬先生なんて言わないからサラは知らないか」



千尋先生?


「………」


千尋先生って、小野瀬って苗字なんだ…


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