先生は蒼い瞳の狼くん
「あ、ちょっ」
待って!なんて制止の言葉なんて聞いてくれなくてただ手を掴まれて歩いていく
やだっ…手が…っ
触れあってる所が少し熱くなって、心臓が少し早くなってくる
ど、どうしようっ
「り、龍之介くん!…」
「……」
龍之介くんがこれから、どこに行こうとしてるか分かってる
学校で怪我をすれば行く所なんて一つしかないんだもの
行きたくない、それもあるけど…なにより今この触れあってる手が頭から離れなくて、どうかなりそうだ…
ガラッ
「ちーちゃん!」
保健室に着くなり、机に座って何かを書いている先生に声を掛ける
「お前…だからその呼び方って…雪村?」
私達を不思議そうに交互に見てその視線が繋がれてる手に一瞬移動する
「ちーちゃん、こいつ怪我したから手当てしてやって欲しいんだけど」
「…雪村がか?」
龍之介くんが頷いて、私の手を離すと、高鳴っていた心臓が少し落ち着いたのが分かる
「は…はぃ」
血のついた手を見せると、真剣な表情で手招きをされ傷ついた手にそっと触れる