先生は蒼い瞳の狼くん
「切ったのか?」
「は…い」
見つめられる視線を外さないように私は頷く
「あの、廊下歩いてたら、女の子とぶつかってしまって…転んだ所にハサミがあったみたいで…気づいたら…切ってました」
「廊下にハサミが?」
先生も怪しむように、首を傾げ龍之介くんを見る
「………」
「雪村、そのぶつかった女は?」
「え、あ…いえ、泣いてて直ぐに走って何処かに行っちゃったんで、分からないです」
首を横に振ると、深いため息をはき龍之介くんに向かって口を開く
「龍之介、雪村が怪我したんだ。相手が誰とまでは聞かないから何があった?」
「……………え」
なんで、先生はそんな事を言うんだろう
私が怪我したのと何か関係があるの?
「いや…それは」
「龍之介」
普段と違う少し低くなった声に龍之介くんは、苦笑いをしながら近くの椅子に腰を降ろす