先生は蒼い瞳の狼くん
「だろ?…ところで、その怪我、治るまで時間かかる?」
「…?」
「あ、いや…右手だし大変だろうなーってさ」
「いや、そんなに深くないからそんなに時間はかからないさ」
そう言って、まだ少し流れる血を止血する
「そっか、良かったな」
龍之介くんに言われ頷くと、さてと!と言いその場所を立ち上がる
「どこか行くの?」
「ん?あぁ、あれ、先生に出さなくちゃだろ」
龍之介くんが指差すのは世界史のノート
そうだ、出さなくちゃいけないんだった
「サラはちーちゃんに手当てしてもらえ、俺が出して来るから」
「で、でも」
「いいから、じゃあ…ちーちゃんサラよろしく」
「あぁ」
そう言うと、ノートを持って保健室を出て行く龍之介くん