先生は蒼い瞳の狼くん





いいのかな…なんだか悪い…


思わず龍之介くんが出て行った方を見つめていると"好きなのか?"と声が聞こえる



「へっ?!」


「図星?」


「ち、違います!」



なにを言うんだ、この先生は…

必死に首を振る私が可笑しいのか微かに微笑んだのがなんとなく分かった


「……」


「………」

暫しの沈黙


もう…


また、二人きりだよ…


まさか、こんな形で再び保健室に来るなんて思っても無かった



「雪村、消毒するぞ」


「…はい」


先生が私の手に触れピリッと傷口が痛む


「痛むか?」


「だ、大丈夫です」


「そうか」


「………」


消毒液を付けながら先生が再び口を開く



「なぁ…雪村」


「…はい?」


相づちを返すと、ふと目線をあげた先生と視線が重なった


「…ぁ」


バッと視線を反射的に反らすとまた後悔する


また、やってしまった…


こないだに続き、今日までも…っ


ダメ、ダメなんだ


頑張らなくちゃ、いけないんだ私!


自分の中で何かを意気込み、反らしていた視線をゆっくりと先生に合わす


「………っ」


「………ん?」



その綺麗な目にドキドキが激しくなる




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