先生は蒼い瞳の狼くん





今きっと、私の脈拍はとんでもなく凄いと思う


身体中が全てドキドキと音を立ててるみたいで…なんだか苦しくなる



「…………」


先生の目はどうして、こんなに綺麗なんだろうか…


「…………」


「……雪村…」


不意に先生の手が止まった


どうしよう…泣きたくなってきた…


視界が緩んでしまう


やっぱりわたし…


「す、すみません…っ!」


勢いよく頭を下げ、やはり視線を反らしてしまった


「お前な、それ、いい加減傷付くぞ」


「……すみません…」


「たっく、もしかして…クラスの男子みんなにもそうなのか?」


再び手を動かして、消毒された手にガーゼをあてながら包帯が巻かれていく



「クラスって言いますか…私、あまり基本的に男子と話さないですから」


話す必要もないし、話したくないから…瑠花やクラスの女子だけで十分


「龍之介は?」


「り、龍之介くんは前の席だし瑠花と仲が良いみたいなんで必然的に…」



「そうか、言われてみれば渡部と仲が良いなら龍之介と雪村って組み合わせも可笑しくないか」


パチと包帯を切り"出来た"と声が掛かる




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