先生は蒼い瞳の狼くん





あ…そうなんだけど…なんて言えばいいんだろう…



「えっ…と…」


「……?」


言葉が見つからず、先生から視線を反す


「雪村?」


「ぁ…」



どうしよう…交流会の相手が嫌だったなんて


言えない。言ったらきっと、体育館に戻されちゃう



「えっと、その、具合が…悪くて」



とっさについた嘘に何も疑う事なく先生が微笑む



「そうか、今日はいつも以上に寒いからな…また風邪でも引いたか?」



持っていた資料を机に起き私にそっと近付いて額に手を添える



「……っ」


「熱は、ないか…?」


もう片方の手で、頬を触られ私は反射的に視線を外す



まずい…バレちゃう…


「せ、先生…わたし、横に…」


「…………っ」



そう言いながら、先生を見ると怪しむような彼の視線が私にぶつかる



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