先生は蒼い瞳の狼くん




先生を怒らせてしまった以上…もうここにはいられない…


保健室を出て、トイレでもどこでいい

ただ、誰もいない所に…行きたい



「グスッ」


そう再び、涙を拭いた瞬間だった―…


「雪村」


「…っ!?」


伸びて来た長い手に両腕を掴まれ、反動的に先生と向かいあう


「…ぁ」

いやだっ、こんなに泣いてる自分なんて見られたくない―…


見られたくない―…


「離して下さいっ!」




こんな惨めな顔…嫌なんだ…


身体をよじって先生から離れたいのに



彼の腕がそれを許さなくて―…



「……ぅっ」



バカみたいに、涙がまた零れる


「はな…してっ」



顔を背ければ背けるほど、溢れるなみだが頬を伝わり次々と床や身体に落ちる



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