先生は蒼い瞳の狼くん






―――……


どのくらい、歩いただろうか


階段を数回のぼって、誰もいない廊下で瑠花は私の手を離した



「瑠花、いきなりどうしたの?」


首を傾げて聞けば、軽く咳払いをして私を見た


「あのね、龍之介の事なんだけど…」


「龍之介くん?」


「アイツがあんな怪我したのはね…サラが原因なの」


…え?わ、わたし?


意味の分からない台詞に頭にハテナが浮かぶ


「サラさ、あんた交流会の相手…前の学校の人達だったんだね?」


「え…」


「ごめん…実はね…今日の午後に、私と龍之介と後藤がいた時に数人の男子が私達に近付いて来たの」


「…………」

「ただ、普通に話すだけだと思ってたんだけど…」



何を躊躇うように瑠花をゆっくりと、その詳細を語り出した



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